消化できないフコイダンの利点

近年、フコイダンを主成分として健康食品が静かなブームになっています。
フコイダンとはコンブやワカメ、モズクなどの表面にみられるヌルヌルとした成分です。
これは化学的には硫酸化多糖類に分類されますが、人間の体内に入る事で免疫能力、抗炎症能力、抗酸化能力を活性化する働きがあると言われています。
またこれらの結果、抗がん作用があると言われる研究結果も報告されています。
もともとフコイダンは、海藻類が自分たちの体を守る為に分泌している成分です。
この成分が体内に入る事で我々の生命力を強化してくれるのですから、「命は海からもたらされた」と言う事を暗示している様で、何とも意味深な現象だと思われます。
フコイダンの効果を疑問視する学説の論点として、「人間はフコイダンを消化できない」と言ったものがあります。
これは、我々人間が「フコイダンに代表される海藻の硫酸化多糖類を消化する為の酵素を持っていない」と言う事実に基づく学説です。
つまり簡単に言うと、「消化できないものを食べても、そのまま便となって排出されるだけじゃないか」と主張している訳です。
ところが最近の栄養学では、「食生活で消化できない物こそ重要である」と言った説が一般的です。
経口摂取された消化できない食品が大腸を通過する事で、腸内に溜まっていた老廃物や排泄物をごっそりと掃除する事ができるのです。
その様は、詰まったパイプの中をスポンジなどで掃除しているイメージに近い物があります。
また「腸内で消化できない」と言う事は、それだけ長い時間、腸内に滞留する事を意味しています。
腸内バランスと言った言葉をご存じでしょうか。
人間の腸内では、人間の健康に役に立つ善玉菌、逆に害になる悪玉菌、どちらでも無い日和見菌の三者が微妙なバランスを取りながら共生していると言う考え方です。
具体的に、善玉菌は乳酸菌や酵母菌、悪玉菌は大腸菌などが代表的な例です。
日和見菌は不思議な名前が付いていますが、これにも理由があります。
善玉菌が優勢な時には人体に無害なのですが、腸内で悪玉菌が増加すると、日和見を行い、悪玉菌の見方をする菌なのです。
従って健康を維持する為には、腸内の善玉菌を優勢なバランスに保つ必要がある訳です。
そして腸内で消化不可能な硫酸化多糖類は、乳酸菌などの善玉菌にとって絶好の繁殖場所(コロニー)となるのです。
フコイダンのメリットはこれだけではありません。
最新の学説では、「日本人だけが海草類に含まれる多糖類を消化する事の出来る酵素を持つ」と言う説が発表されました。
ある種の腸内細菌と共生する事で、消化が可能になっているそうです。
もしかするとフコイダンの摂取は、人種的に見ると日本人がもっとも効果が出そうな気もしてきます。